今回はBOOX Pageのリフレッシュモード関連について書こうと思う。
電子ペーパーとは?
その前に電子ペーパーディスプレイとはなんぞやからだが、詳しくはWikipedia等を参照(いきなり丸投げ)
ざっくりよい点、悪い点をあげると以下
(よい点)
見やすい
各画素がそれぞれ白〜黒色になることで文字や画像を表現しており、紙に書かれた文字を見るのと同様、自然光で読むことができる(反射型ディスプレイ)。液晶ディスプレイのように画素の裏から光を当てて表示するディスプレイ(透過型)や、各画素自体が発光する有機ELディスプレイとは異なり、直接光が目に向かってこないため負担が少なく、太陽光下でも視認性が高いのが特徴。
※電子ペーパーにもいくつか種類はあるが、BOOX Pageが使用しているディスプレイはE Ink社のもで、電気泳動方式が採用されている。(BOOX Page の電子ペーパー:E Ink Carta 1200)
※電気泳動方式仕組みの詳細は以下がわかりやすい。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bplus/6/1/6_20/_pdf/-char/ja
バッテリーの消費が少ない
各画素の書き換え時に電力を消費するが、表示中は電力を消費しないため省エネルギー。
(悪い点)
残像が残る
各画素の白黒の濃淡は、画素内部にある黒い粒子をどれだけ前面に出し、白い粒子をどれだけ背面にするかによって出し分けている(逆も)。その粒子の移動が一回では終わらず、本来は黒→白にしたかったのに、黒→灰のようになってしまい、残像として残ってしまうのが電子ペーパーの欠点。そのため、残像が残らないようにするために、何度か画面全体を白・黒表示をしてリフレッシュをする必要があり、ページ切替時に画面が点滅して見えてしまう。
(参考)
リフレッシュ設定
BOOXシリーズでは、小説や漫画等の表示するものに合わせてリフレッシュモードを変更することができる。このリフレッシュモードの設定が、本機を快適に使用できるかの肝となると思う。
リフレッシュモードの詳細は公式ヘルプを参照
https://help.boox.com/hc/en-us/articles/8569262708372-Refresh-Modes
BOOX Pageで設定できるリフレッシュモードは、ノーマル、リーガル、スピード、A2、Xの5種類で、画面上の説明は以下。表示品質は ノーマル > スピード > A2 > X 、リフレッシュ速度はその逆で X > A2 > スピード > ノーマル となる。
- ノーマル:通常モード(表示効果が高く、一般的なテキストの読み取りに適しています。)
- リーガル:リーガルモード(最小限のゴースト、暗い背景でわずかにちらつき、明るい色の背景にて適しています。)
- スピード:スピードモード(ゴーストが少なく、画像や文字を素早く読むのに適しています。)
- A2:A2モード(ゴーストが存在する可能性があり、画像やテキストを含むページのスクロールに適しています。)
- X:Xモード(詳細が大幅に失われる可能性があり、Webページやビデオに適しています。)
※公式ヘルプによると、リーガルはカラーE Inkモデルに最適化されたモードらしく、Pageは白黒モデルのため以降割愛
実際の動作
ノーマル、スピード、A2、Xでの表示の違い。
写真表示
各モードによっての見え方の違い。中央の「古」を見るとわかりやすい。
元画像
ノーマル
「古」のグラデーションがなめらか。
スピード
「古」に縞状のムラが発生している。
A2
スピードとほぼ同じ。
X
かなり荒く、ノイズも発生している。
ページ切り替え
テキストベースの書籍(BOOX Page UserManual)を表示した場合のページ切り替えのサンプル
※BOOX公式アプリはA2、Xモード非対応のため該当動画無し。
ノーマル
・ページ送りアニメーションがないアプリ(使用アプリ:BOOX Neo Reader)
文字、画質がきれい。
デフォルトでは10回表示毎に一回リフレッシュが入るようになっている。(動画でP.10表示後の暗転)※リフレッシュ無しにすることも可能
・ページ送りアニメーションがあるアプリ(使用アプリ:SideBooks)
ページ送りアニメーション時に表示カウントが加算され、毎回リフレッシュが入る。その他設定で調整は可能だが、突き詰めるのはなかなか大変。
スピード
・ページ送りアニメーションがないアプリ(使用アプリ:BOOX Neo Reader)
ノーマルと同様リフレッシュが入るようになっている。
ノーマルに比べ画像が若干荒くなり、残像感もあるが、ページ送りスピードが早い。
・ページ送りアニメーションがあるアプリ(使用アプリ:SideBooks)
ページ送りアニメーションも実用的な表示。
多少ページ送りにもたつきがあるため、ガシガシページ送りする場合は若干ストレスになるかも。
A2
・ページ送りアニメーションがあるアプリ(使用アプリ:SideBooks)
少し残像感が残るが、読むのに問題はない程度。ページ送りが早いため、書籍によっては本選択もあり。
X
・ページ送りアニメーションがあるアプリ(使用アプリ:SideBooks)
読めなくないが、画像も荒く、進んで使用するモードではないかなと。
スクロール
Google chromeでSKTNETSHOPを表示した場合のサンプル
※ボタンでスクロールしているが、指でスクロールした場合も同様の動き。
ノーマル
スクロールは若干もっさりした感じ。スクロールを止めるごとにリフレッシュが入るため画質はきれいだが、表示に少し時間を要する。
スピード
スクロールはノーマルとほぼ同じ。画質はノーマルと比較すると若干荒い。リフレッシュ動作がない分、表示に待たされる感じがない。
A2
多少残像感はあるが、スクロールが早く、実用的と感じる。
X
画質は荒いがスクロールはとても早い。残像感はあるが、意外と使えなくもない。
まとめ
書籍を読む場合、アプリが電子ペーパーに最適化されているか否かによってモード選択するとよいと思う。ただ、対応アプリはかなり少ないと思われる。
- 対応アプリ:ノーマル、またはスピード/A2
- 非対応アプリ:スピード、またはA2
※Android版のKindleアプリも「ページめくりのアニメーション」をOFFにすることはできるが、ページのスクロールアニメーションがあるため電子ペーパーには最適化されていないと感じた。BOOX公式アプリ以外で、ページ送りアニメーションがないビューワがないか情報求む。
各モード、細かい設定を突き詰めればより快適になると思うが、めんどくさいので気が向いたらやってみようと思う。
手頃なサンプルがないため載せていないが、漫画も書籍と同様の考え方になる。自分はA2をよく使用している。
また、スクロールを多用する縦型のもの(Webや日経電子版等)を見るときにも、A2がおすすめかと思う。
なお、雑誌については本機で読むものではないと考える。固定レイアウトであり、小さい文字や写真が多いため、画面がより大きく、カラー表示ができる端末で見る方がよい。
雑感
画面表示については動画がないと伝わらないと思い、初めてYouTubeに動画を上げてみた。諸々やるとすげー時間かかった…。ガジェット系レビュワーすごいね。。
#3に続く(時間あくかも)